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自筆証書遺言の作り方
自筆証書遺言は、遺言者本人がいつでも簡単に作ることのできる、もっともシンプルな遺言書
です。簡単ではありますが、きちんと法的に効力を持ったものにするためには、いくつか押さ
えておかなければならないルールがあります。
①遺言書の全てを自分自身で書く
ワープロ等で作成したものや、代筆による作成も無効です。縦書きでも横書きでも可。保管を
考えて丈夫な紙にボールペン等を使って書きましょう。
②自分で日付けを記入する
作成日を特定するために、「年・月・日」を正確に記入します。「○月吉日」といった表記は
無効です。元号・西暦どちらでもかまいません。また算用数字でも漢数字でも可です。
③自分で署名する
原則として戸籍名通りに記入します。本人が特定できれば芸名・雅号なども有効です。
④署名の下に押印する
三文判でも有効ですが、実印を押印することをお勧めします。
以上の4点を押さえておけば、法的に有効な直筆証書遺言となります。
遺言の内容を訂正するには
遺言の一部を訂正・変更する場合には、厳格な規定にしたがって行わなければなりません。これ
は、他人による改ざん・変造の防止、遺言者本人による訂正であることを証明するためです。
① 原文の訂正・変更箇所に印をつける。
加入の場合は加入の印(‸)を、削除・訂正の場合はで消す。
② 訂正個所に正しい文言を記入する。
縦書きの場合は横に、横書きの場合は上に
③ 変更箇所に押印する。
遺言書に署名・押印した印鑑を用いる
④ 訂正個所の欄外に「本行○文字削除」「本行○文字加入」というように付記する
又は遺言書の文末に「○行目○文字削除」「○行目○○とあるのを△△と訂正した」
というように付記する。
⑤ 付記した箇所に、遺言者本人が署名する。
以上の様式に沿っていないと、訂正は無効になります。
重要な変更がある場合は、書き直しをした方が安全です。
自筆証書遺言の注意点
① 保管場所が分かりにくい場合など、遺言書が発見されない場合がある
紛失の恐れのない場所に保管し、できれば配偶者にはその存在を伝えておきま
しょう。貸金庫を利用する方法や、弁護士・行政書士などに保管を依頼する方法
もあります。
② 改ざん・変造・隠匿の危険性がある
自筆証書遺言の場合、封筒などに封をしなくても無効にはなりません。しかし改
ざんを防ぐ意味でも、封筒に入れて封をし、署名・押印に用いた実印で封印して
おきましょう。また、封印した遺言書は家庭裁判所での検認が必要となります。
封筒の裏側に「開封せずに家庭裁判所に提出すること」などと記入しておくのが
良いでしょう。
* 検認の手続きを経ずに、勝手に開封した場合は5万円以下の過料の制裁を
受けます。
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行政書士 村上佳雅 |
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