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相続の基礎知識・相続とは


相続とは、「被相続人の財産に属する一切の権利・義務、債権・債務を相続人が受け継ぐこと」
です。被相続人とは、「死亡して債権や債務を残す人」、相続人とは「被相続人の債権や債務
を受け継ぐ権利と義務がある人」の事をいい、その範囲は民法で定められています(法定相続人

一般的に、預貯金や株、不動産といったプラスの価値のある資産だけを財産と考えがちですが、
借金のような債務、保証人のような義務も相続財産に含まれます。相続とはプラスとマイナスを
含めて全ての財産を受け継ぐということですので、注意が必要です。


相続の開始

相続は、人の死亡の際に発生します。(民法882条)
死亡の際というのは文字通り、死亡の瞬間のことをいい、実際の遺産の分割や引渡し、名義変更
とうの相続手続が進まない場合であっても、「相続」自体は被相続人の死亡の瞬間に成立してい
るのです。

つまり、被相続人の死の瞬間に相続財産に属する権利義務関係は、既に相続人に移転していると
いうことがいえます。


相続人がいない場合は?

相続人が存在せず、遺言も無い場合、遺産はどのように扱われるのでしょうか。
法律では、『一定の要件の元、特に親しくしていた人や、財産を共有していた人の物になる』
と定められています。そして、それらの人もいない場合は国の物になります。
このように、死亡と同時に財産の所有権が他所に移ります。それにより持ち主の無い財産ができ
てしまうことを防いでいます。

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生死不明の人の相続はどうするのか

相続は人の死の瞬間に成立する事は相続の開始の項目で述べましたが、それでは行方不明者の
財産を相続する場合にはどのようにすればよいのでしょか。
このような場合、民法では一定の手続き行って、行方不明となっている人をある時期に死亡し
たものとみなす失踪宣告という制度を利用する事になります。

失踪宣告の制度とは、生死不明となっている状態の人が、法律に定められた一定期間の間、生死
不明な状態が続いた場合に配偶者などの利害関係者が家庭裁判所に請求を行い、家庭裁判所にお
いて、一定の期間公告をした上で失踪宣告を行うことをいいます。

失踪宣告を行う際の行方不明者の生死不明の期間は、失踪などによって生死が不明な場合には
7年間、戦地に臨んだ人や沈没した船にいた人などのように死亡した可能性が特に高い生死が
不明な人の場合には、1年間とされています。

家庭裁判所において失踪宣告が行われると、失踪の場合などは7年の失踪期間が満了した時に、
死亡した可能性が特に高い特別な失踪の場合には、その危難が去ったときに死亡したものとみな
され、このときから相続が開始することになります。




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行政書士 村上佳雅

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