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遺言作成の注意点

遺言の作成には、次の点に注意が必要です。

@ 遺留分について

遺留分とは被相続人の配偶者や子など、遺族の最低限の生活保障のために認められた、一定の
相続財産を取り戻すことのできる権利のことです。配偶者と子の場合は全財産の1/2、父母、
祖父母など直系尊属だけの場合は、全財産の1/3を遺留分として相続できる権利を持っています。
相続人が複数いる場合は、それぞれの法定相続分の1/2となります(兄弟姉妹に遺留分はありま
せん)。この遺留分を無視した遺言書を作成すると、相続の時にトラブルの元となってしまいます。

● 遺留分減殺請求権
遺留分を侵害されて相続された権利に対して、それを取り戻すための権利。相続開始を知って
から1年以内に行使しなければ時効となります。たは、贈与・遺贈の事実を知らなくても、相
続開始から10年で時効が成立します。請求の手続きは、裁判所に訴える必要はなく、内容証明
郵便等で受遺者に意思表示をすればよい。受遺者が請求に応じなければ、家庭裁判所に審査を
請求することになります。

● 遺留分の対象となる財産
  ・死亡時の相続財産
  ・相続開始前1年以内の贈与
  ・その他特別な贈与(共同相続人に対する婚姻・養子縁組などの為の贈与、
   遺留分権利者に損害を与えることを知った上での贈与

  上記から債務金額を引いたものが、遺留分の対象となる財産です。

A 遺贈の指定方法について

遺贈とは遺言で他の誰かに財産を譲り渡すことです。遺贈には2つの方法があります。

● 包括遺贈
「財産の半分を与える」といった形で、財産全体に対する遺贈分の割合指定する方法。簡単で、
財産価値の変動の影響を受けないといったメリットがありますが受遺者と他の相続人との間で改
めて遺産分割協議が必要となります。
● 特定遺贈
「現金1千万円遺贈する」「○○の土地を与える」というように、具体的な財産を指定する方法。財産がはっきりしているので、比較的トラブルの少ない方法です。しかし財産価値の大幅な変動
などがあった場合に、見直しが必要となる場合があります。

B 遺言執行者の指定について

遺言執行者とは、遺言書の内容を具体的に実現する責任を負います。遺言書に書かれている、内容
・趣旨に沿って相続人の代理人として、相続財産を管理し、名義変更など各種の手続きを行います
。遺言執行者を指定することで、スムーズに遺言内容に沿った相続を行うことができます。また、
認知や排除といった内容は必ず遺言執行者の選任が必要になります。遺言で指定がない場合は、家
庭裁判所に申し立てして選任してもらうことになります。


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行政書士 村上佳雅

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