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任意後見契約について
任意後見契約は、任意後見契約書を公正証書で作成しなければなりません
●任意後見契約書で定めておく内容
任意後見契約書には、最低限、以下の点について明記する必要がある。
@ 任意後見受任者
委任者(本人)の判断能力が減退した際に、任意後見人として代理権を行使する人。
A 報酬額
任意後見人の毎月の報酬額
B 代理権内容
任意後見契約の際には、「任意後見契約に関する法律第3条の規定による証書の様式に
関する省令」の附録第1項様式に基づいて、代理権を行うべき事務の範囲を特定しなけれ
ばならない。
※任意後見人には、同意権、取消権は無いため、任意後見契約の代理権内容のみで本人の保護
ができない場合には、法定後見制度の利用が必要となる。
任意後見契約締結の流れ
@ 契約内容の確認
・任意後見受任者をだれにするのか
・契約の目的(代理権内容)の決定
・どの類型にするか
・死後の事務委任契約は必要か など
A 必要種類の収集
・委任者・・・戸籍謄本、住民票、印鑑証明書
・受任者・・・住民票、印鑑証明書
B 契約書案の作成
C 公証人との打合せ
・公正証書内容の打合せ
・契約日などの確認
・公証人費用の確認
D 公証役場にて契約書作成
・公証人費用は当日支払う
任意後見契約締結後の事務について(移行型の場合)
移行型の任意後見契約(生前事務委任契約+任意後見契約)の場合、公証役場での任意後見
契約書作成によって、直ちに委任代理人としての職務が開始される。
@ 職務の遂行に必要な書類等(財産)の受け入れ
契約書に基づいて、財産等の受け入れを行います。
実印・銀行印・印鑑登録カード・預金通帳・年金関係書類・キャッシュカード
保険証書・重要な契約証書 その他、契約の際に合意したもの
A 財産目録等の作成
委任代理人としての職務を開始する際に、財産目録を作成する。また、金銭の出納状況
を確認するため、金銭出納帳、領収書等保管ファイル等を用意する。
B 金融機関への届け出
金融機関に対して、生前の事務委任契約に基づく代理人としての登録を行う。
C 必要経費及び収入の把握
家賃・管理費・公共料金・施設利用料・社会保険料などの必要経費、年金収入や資産
収入等の収入について、詳細に把握する。
D 医療福祉関係者との連携
任意後見人(任意後見受任者)は、本人の身上監護の事務を遂行するにあたり、各種福祉
制度の活用や、医療福祉関係者との連携を図る必要がある。
任意後見契約の発効(任意後見監督人の専任申立て)
任意後見契約締結後、本人が精神上の障害により、判断能力が不十分な状況に至った時点にお
いて、本人、配偶者、四親等以内の親族または任意後見受任者が家庭裁判所に対して、任意後
見監督人選任を申し立てる。
申立て後、2〜3ヶ月で任意後見監督人が選任され、その時点から任意後見契約が効力を生
じ、任意後見監督人に下に契約に基づく代理権の行使が開始される。
任意後見人の解任
任意後見人が、不正行為や著しい不行跡など、任意後見人として不適格である場合には、
本人、配偶者、その親族、任意後見監督人、または検察官の申立てにより解任することが
できます。
任意後見契約の解除
@ 任意後見監督人の選任がなされる前
委任者(本人)、任意後見受任者のいずれからも、いつでも契約を解除できます。
ただし、公証人の認証を受けた書面によって行わなければならない。
解除の方式には、一方的解除と合意解除があり、一方的解除は公証人の認証を受けた
文書を内容証明で送付する必要があり、合意解除は、公正証書での契約解除手続きが
必要となります。
A 任意後見監督人が選任された後
本人または任意後見人は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、
契約を解除することができる。
任意後見契約の終了
@ 任意後見人の解任
A 成年後見の開始
任意後見と成年後見との関係は、本人の自己決定権尊重の観点から、任意後見が
優先するが、本人の利益のために特に必要があると認める場合に限り、家庭裁判所は
後見開始の審判をすることができるとしています。
B 契約当事者の死亡・破産等
任意後見契約が終了した場合には、終了の登記を行わなくてはなりません。
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行政書士 村上佳雅 |
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